最近僕は部屋の片付けをしている。
片付けといっても、ほとんどが捨てる作業。
誰に見せても恥ずかしくないほどの汚部屋だった。
エントロピーの増大しきった部屋を、せめて普通の部屋にしようとして1ヵ月半ほど片付けをした。
ものを捨てていくと思考がどんどんクリアになっていく。
そのクリアになっていく頭の中がとても心地よく、「もっとクリアな状態で居られたら」と思うようになった。
そこで読もうと思ったのがこの、エッセンシャル思考だ。
本の情報
タイトル:エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする
著者:グレッグ・マキューン
初版は2014年11月17日
「より少なく、しかしより良く」
この本で言いたい事は第一章の最初の見出しにある、「より少なく、しかしより良く」に集約されている。
今の時代モノを持つことは誰にでも簡単にできる。
どんなに貧しいとしても、働いているならば服すら手に入らないなんて事はないだろう。
100円ショップでは何でも手に入り、格安スマートフォンに、格安SIM。情報に触れることにもコストはかからなくなった。
もはやモノも情報も手に入れるのは簡単だ。
人は楽な方へ流されると言う。
欲しいものは手に入れるという欲に従って、手当たり次第に物をかき集めることができる時代。
こんな時代を生きているのだから、僕の部屋が汚部屋になるのはもはや当たり前のことなのだ。
答えが書いてある本ではなく考え方が書いてある本
しかし、このエッセンシャル思考を読むと、何でも手に入れられる状況は、何も手に入れていない状況よりもずっと悪いものに感じられる。
それは、本当に自分にとって必要なものが何か、その本質を見えなくしてしまうからだ。
このエッセンシャル思考では、自分にとっての本質とは何かを追求するための考え方が詰まっている。
この本を読んだから答えが見つかるのではない。この本を読むことでこれから自分の本質に迫る準備ができると言うことだ。
そしてエッセンシャル思考と言う考え方、あるいはエッセンシャル思考と言う生き方をすることが幸福な生き方であるとこの本には書かれている。
もし何をやっても、何を手に入れても手ごたえを感じないとしたら、自分の本質を見失っているのかもしれない。
もし部屋がたくさんのモノに満たされているのに、気持ちが満たされていないのなら、自分の本当の気持ちがモノに埋もれて見えなくなってしまったのかもしれない。
もしあなたがそうなら、この方がきっとあなたの本質を見つけるためのヒントを与えてくれると思う。
僕はこの本を読んだことで、部屋を片付けていたときの気持ちが何であったか、少し理解できたように思う。
不必要なものから解き放たれて、本当に必要なものだけを選択できる自由を取り戻したのだ。
自分をまた1つ理解することができてとても良い本に出会った。
素晴らしい本に出会えた。